過去と未来をつなぐ。

'83年生まれ ♂ の雑記帖。思ったことは、自分の言葉で書き留めとく。

住む、という選択

来年、滋賀の大津に、家族で移住することにしました。

関西に来てからの引越しは、次で4回目。高校卒業以来、(一人暮らしの10年を含む)15年を過ごした大阪を、離れることになります。

ここ1年で様々なことが、タイミングを合わせたかのように重なってきて、決断に至りました。今はそこに向けて、夫婦で色んな準備をしているところです。

 

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さて、この話をすると、よく「家買うの?」と聞かれます。

今の段階で、家やマンションを買うつもりは、僕にも嫁にも全くありません。買わない根拠は、はっきりとあるのですが、過去、それを言ってもあまり共感を得られなかったので、今更説明する気にもなれず。。。

正直ちょっとうんざりしながら、「買いません」と僕は答えます。

 

ところが、いざ答えると、ほとんどの反応が、意外な方向から返ってくるようになりました。

まず、「なんで?」という反応をされることは、最近ほとんどありません。一番多いのが、「そうやろなぁ」。そして、今悩んでる人も、とても多い。僕の考え方を知っていた人もいますが、同年代や後輩だけでなく、結構上の世代の人(実際に家やマンションを買った人)にも、選択の一つとして、買わないことは普通に『あり』なようです。

 

新築マイホームという"達成感"は過去のもの、などと一部で言われつつ、実際にはまだまだ、「結婚 → 30代を超えて都会を離れる → 家を買う」という図式が、強く残ってる。そう正直思い込んでいたのですが、考えを改めないといけないことに気づきました。

皆が『住む』ということについて、今までと違う関心の持ち方をしているのを感じます。

だからこそ、これまでと違う方法を実践しようとする人間の話が聞きたくて、「家買うの?」という質問になるのかもしれません。

 

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『住む』ことの選択について、考えている事を書きます。

ライフステージによって、家族の大きさは、変わっていきます。夫婦だけの期間と、乳幼児がいる期間。子どもの成長期と、子育てが終わった後。必要なモノの量も質も、その時々で変化します。

また、夫婦揃っていつまでも健康でいられる100%の保証は、ありえません。(嫁が看護師なので、その辺はかなりリアルに考えます。)家族にも、いつ何が起こるか、こればかりは本当に分からないものです。

 

それらの変化を、同じ場所で、1つの家に住んで、しかも30年単位で。ずっと変わらずに対応することは、なかなか無理があるように思います。変化の激しい時代なら、尚更です。

社会の構造が圧倒的に変化する中で、働き方も変わってきました。この先、その時々に合わせた生活を実践していくのが、ある意味で一番柔軟性を持って、稼ぎ続ける事ができると思うのです。

幸い、シェアという新しい経済の形が台頭してきたことで、モノを所有することなく(昔ほど場所に縛られることなく)、様々なことができるようにも、なってきました。

 

もう1つ。冷静に考えて、人口が減少するフェーズに入り、空き家が増えている日本において、新しい家がそこまで必要だとは思えません。

まだまだ使えるものを破棄して新しいものにする、ということは、地域や社会といった単位で見れば、本質的に生産性のある行動とは言えないはず。(過去の日本で、この消費の仕組みが、経済として成り立っていたのは、単純に人口が増えていたからに過ぎません。)

子どもが大きくなったら、少し広めの物件を探すことは視野にありますが、それも別に賃貸で十分です。条件次第で中古購入、といったところでしょうか。これもまた、子育てのフェーズが終わったら、必要とする人に譲ることが前提になります。

これが、今の僕の『住む』ことに対する考え方です。

 

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成長経済においては、土地を持っている/家を持っていることが、かなりのアドバンテージになりました。将来的に、高値で手放せる可能性が高かったからです。

今は違います。一部で、まだそのとき作られた文化だけが、残っているに過ぎません。(都心部の特殊な高額物件は除きますが。)新しい形は、これから出来上がってくるでしょう。

 

大津に行ったあと、自分たちを何が待ち受けているか、正直全く分かりません。「こうありたい」という目標はありますが、実際に出来る事は、目の前のことを一つ一つやっていくだけ。

なので今の自分たちは、どう変化するか分からないハードへの投資よりも、目の前のソフト的な投資をする方が、優先だと思っています。

 

そして、それが実際に出来るという意味で、恵まれた環境であることも確か。このことは、本当に、感謝しないといけないかもしれません。いい時代です(*^^*)

 

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Startup Weekend Kyoto 参加

8/5〜7の3日間(54時間)、大阪を少し離れて、京都の「Startup Weekend Kyoto 2016 Summer」に参加してきました。

3日間で新しいサービスを考えて、作って検証して、プレゼンするイベントです。世界各地で行われていますが、今回はその京都版。3月にあった滋賀での開催に参加できなかったので、リベンジとして参加してきました。

正直、思っていたよりもずっと過酷でした(笑)

 

自分のアイデアだったため、チームの代表を務めさせてもらいましたが、何度も吐き気を堪えながら(笑)、何とかプレゼンまで漕ぎ着けたことは、本当にいい経験になりました。

チームメンバーにも、とても恵まれました。途中何度もフリーズして本当に申し訳なかったけど、現時点での、あれが自分の実力というのも事実。感謝しかないです。ほんとに。

 

普段、ふつうに企業勤めをしていると、どれだけ自分で真剣に考えて、決断しているつもりでも、正直、どこかに必ず「守られている」という甘えがあります。

特に僕は、自分でも「リーダーというより参謀タイプ」と評していて、バックアップ側を担当する体で、あまり責任を負って来ずに、ここまで生きていた部分がありました。

例えイベントとはいえ、この3日で何度も迫られた、「決断を、自分で行う」という行為。これから、自分で自分の人生を決めていくために、当たり前にやっていかなあかんことやろなーと今思っています。

 

今回プレゼンしたサービスは、このまま継続して開発を続けていこうと思っています。

それっぽくプレゼンではまとめてしまった部分も、実は納得がいっていないポイントがたくさんありましたし、ブラッシュアップする方向性もいくつか提案を頂きました。

 

これからが楽しみです!


では、今日は眠すぎるのでこのへんで。。。

(ちなみに、優勝は高校生に攫われました。恐るべし!笑)

 

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おくる、つなぐ

ペイ・フォワード、という言葉が、最近よく頭の中を横切ります。

 

"Pay it foward."

 

「ある人から受けた恩を、その人に直接返すのではなく、別の誰かに渡していくこと」を意味する英語です。

この言葉を初めて聞いたのは、2000年に公開された映画『ペイ・フォワード』でした。といっても、当時は特に響いたわけではなく、特報を見て「いい映画っぽいなぁ」と思っただけでした。実際に見たのは、結構最近です。

ただ近頃は、この言葉も、日経の記事を始め色んなところで触れられたりして、視界の中に入ることが、増えたように感じます。

 

僕が改めてこの言葉を意識するようになった理由を考えてみると、やはり『おくる』(送る・贈る)ことの重要性を、仕事や日常生活の中で感じるようになったからです。

自分で抱えない。世界を閉じずに、循環させる。

これからの時代の、1つのキーワードになると思っています。

 

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この5〜10年ほどで、情報を『おくる』ことが、以前にも増してものすごく簡単に、誰でも出来るようになりました。それも、ただ『おくる』だけではなくて、それを別の人に『つなぐ』ことが出来ます。

Facebook(いいね!)、Twitterリツイート)、その他にもたくさんのSNSや、ブログやアプリ諸々。皆が情報をおくり、つなぎ合っています。

 

さらに、今は情報の延長に、リアルなモノの共有=シェアがあります。

家も車も場所も、あらゆるモノが一時的に情報化され、その先でどんどんと共有の対象になっています。シェアリング・エコノミー、といわれる経済活動ですね。

今新しく生まれているビジネスには、シェアの概念を含んでいるものが、たくさんあります。

 

これらが増えているのは、ウェブ技術の発達に、人のもつ「発信したい」「人の役に立ちたい」「認められたい」気持ちなどが、掛け合わさったことが大きいでしょう。

しかし大事な動機の1つは、手持ちの資産をうまく運用し合えば、単純に「得をする」ということです。(もちろん、金銭的なメリットも含みます。)

誤解を恐れずに言えば、得をするから、人は『おくる』のです。

 

日本にも同じような概念が無いかと考えたときに、『情けは人の為ならず』という言葉が思い浮かびました。

「情けをかけると、その人の為にならない」という意味で勘違いされることが多い言葉ですが、本来は「人に掛けた情けは、巡り巡って自分に戻ってくる」という意味です。

また、近江商人の『三方よし』という言葉もありますね。商いをする上で、日本各地で受け入れてもらうために、社会への還元を考慮に入れた思想です。

 

ペイ・フォワードという言葉は英語ですが、日本にも同様の考え方が、実は流れているんだと思います。

 

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次の人に送る・贈る、ということ。

自分が受けてきたことを、次の人に引き継ぐということは、自分自身にとっても、とても重要な行為だと僕は思っています。

 

自己犠牲の奉仕ではありません。自分が受けたこと・やってきたことを、客観的にもう一度振り返る、めちゃめちゃ良いチャンスなんですよね。一番得をするのは、渡す本人なんじゃないでしょうか。

 

世界を閉じずに『おくる』ということは、自分自身を次に『つなぐ』ことです。

持っているものを手放すことで、身が軽くなって、自分もまた次のものを受け入れられるようになります。

 

変化が早い時代、モノにしても情報にしても、自分が抱え込まないということは、本当に大事。僕は、今そう思っています。

 

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