過去と未来をつなぐ。

'83年生まれ ♂ の雑記帖。思ったことは、自分の言葉で書き留めとく。

多様性と最適化

「この会社、なんだか同じような人がたくさんいるな…」

 

自分の会社や取引先で、こんな感覚を覚えることが、たまにあります。仕事もし易いし、たぶん悪いことではないんだろうけど、何かちょっと違和感…。

同じように思った経験のある方は、いるのではないでしょうか。

 

最近、その違和感の正体を探っていて、ある考えに至りました。

それは、チームのマネジメントも仕事の方法も、多様性と最適化のバランスが、実は大事だということ。そして、そのバランスを取ることの、難しさです。

 

仕事というものは、最初から、すぐに出来るようになるものではありません。誰だって、0ベースで取り組む瞬間がある。皆そこからそれなりの時間をかけて、何度も失敗しながら、人から学び、自分なりのスキルを磨き、経験を積んでいくものです。

だからやればやるほど、仕事の方法は、成功体験を中心として、自然に最適化されていきます。要は、効率が上がり、生産性が高くなるのです。

 

そしてこれが、「仕事が出来る」と認められるための、1つの基準にもなっています。

どれだけ仕事を、最適化出来ているか。クオリティとスピードを高めて、自分の描いたゴールへと至っているか。もちろん、結果が伴っているか。

 

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同じことは、チーム(組織)にも言えます。仕事は「何をやるか」「なぜやるか」の問いが大切だと思っていますが、その先にあるのは、「誰とやるか」「どのようにやるか」。同じことをやっても、成果が全く異なります。

一度成功できれば、それを共有したメンバーは、次も、別のことをやるときのベースになりやすい。これは、悪いことではありません。阿吽の呼吸で仕事が進んでいくのは、スピードが出て効率的だし、とても気持ちがいいものです。

 

そもそも基本として、何らかの同じ目的を共有出来るから、人は同じ集団に属して仕事をしています。それが古くからある組織であればあるほど、そのカルチャーというものも確立されています。そして、それに合う人材がマッチングされる。長く居ることで、カルチャーの影響を受けて、さらに同じような思考を持つ人が揃っていきます。

そして結成されたチームは、成功を共有することで、どんどん最適化されていき、仕事のスピードは上がり、ますます生産性を高めていくことが出来ます。

 

ところが、その最適化が進み過ぎると、別の問題が起こります。方法もメンバーも多様性を失って、均質化していく、という現象が起きるのです。

均質化は、効率化には貢献してくれますが、柔軟な変化には貢献できません。むしろ、思考の硬直化が、それを阻害してしまいます。

 

だからこそ、どこかのタイミングで、『狙って』その最適化を壊してみる工夫が、必要になってきます。

 

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冒頭の「同じような人がたくさんいるな…」という状態は、最適化が進んでいるという意味では良くても、均質化し過ぎて、変化に対応できなくなっている状態かもしれません。

どこかで異質なものを入れて、多様性を持たせないと、いずれ仕事もチームも硬直してしまいます。

そして、その変化の必要性は頭で分かっていても、実際はものすごく大変で、受け入れるのが面倒なのです。

 

自分自身も、9年かけて大阪で積み上げ、それなりに最適化された仕事内容・チームの中にいる状態から、抜け出そうとしています。まだ着地点がはっきり見えている状態ではありませんが、確実に動きます(宣言。)

だから今は少し引いた目線で、これまでの成果を見ることができるのですが、やはりここ数年の自分の仕事環境に、多様性が無くなっていた部分は大きい。そしてその状態に、薄々気づいていながら、放置していた自分も確実にいました。

あのままいっていたら、ちょっとヤバかったなって思います。

 

改めて思うのは、この2つ(最適化と多様性)のバランスのコントロールは、やはり相当難しいんじゃないかということ。

けれどそれが出来ているものが、モノも人も組織も、世の中に残っているんじゃないかということです。

 

動き始めた自分を止めずに、このバランス感覚を磨いて、生き残っていきたいと思います。

 

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